日米中3か国4都市生活 バイリンガル日記

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中島和子著 「バイリンガル教育の方法」(1) ~我が家の決断~

このブログで度々登場する中島和子著「バイリンガル教育の方法」。バイリンガル教育を行っている親御さんの中には、愛読されている方も多いのではないでしょうか。わが家も、娘が生まれた頃から、ステージが変わるごとに読み直してきており、Sally Ward著「語りかけ育児」と並んで最も読んでいる育児関連書籍です。

 

同じ本を読んでも、ご家庭によって結論は正反対になるのは当然。読んだ上で、「だからこそバイリンガル環境にしよう!」「だからこそ、英語はなるべく避けよう!」どちらのご家庭もあります。また、子供の反応をみているうちに、方針が変わるご家庭もあります。だからこそ、ご自分&お子さんにぴったりの方針を決めるためにも、おうち英語をされている方、駐在中/予定の方にはぜひ読むことをお薦めします。

 

バイリンガル環境になることが決まると、まず決まって「ダブルリミテッドになるかもしれない」と心配したり、「ダブルリミテッドにならないように~しましょう」というようなアドバイスをもらったりすると思います。が、日本に暮らしていると、「もしかしたら、あの子はダブルリミテッドだったかもしれないな?」と思うような人と実際に遭遇する機会はあまりないかと思います。

 

学生時代の友人に、20代前半の時点ではダブルリミテッド(正確にはトリプルリミテッド)だったのかなと思う子がいます。彼女は、普段おしゃべりをしていると気づきませんが、少し複雑な資料読解・議論になると、日英中どの言語でも議論に加われなくなってしまいました。もう10年以上会っていないため、その後はわかりませんが、きっとその後の10年の生活で、いずれかの言語が相対的に強くなって、大人の会話もできるようになっているかと思いますが、実際にそれに気づいた時の驚きは、衝撃的でした。そのような経験があることから、「ダブルリミテッドにならないようにしなければ」という警戒は人一倍強いです。

 

ただ、毎日英語の環境で過ごす子供にとって、現地校で活躍の場があるか否かで、幼少期の思い出のカラーを決めてしまうことも事実で、英語力を伸ばしたい/伸ばしてあげたいと思うのは自然なことだと思います。しかし、現実には、本帰国後、2~3年かけてゆっくり日本の教育内容に合わせられるような時間的ゆとりはなく、場合によっては、アメリカでも、補習校や塾の勉強がメインで、現地校はあまり重きを置いていないというご家庭もあると聞きます。

 

「ダブルリミテッドにならないように~しましょう」というアドバイスよりも、「本帰国したらゆっくり慣れればいいですから、まずは現地校で子供たちが本来の姿でリーダーシップを発揮して過ごせるように、サポートしてあげましょう」という帰国後の受け入れ体制が欲しいのです。そんなモヤモヤを抱えながら、本書を繰り返し読んで、慎重にバイリンガル環境を整える日々です。今日は、本書をベースに熟考した我が家の決断をご紹介します。が、お子さんの状況・環境によって様々だと思いますので、参考程度になさってください。

 

バイリンガル環境 チャレンジ派の場合)

日英両言語での読み聞かせ

本書によれば、学齢期ダブルリミテッドの問題も確かに起こりうるが、日本語環境へのシフトにより自然に解消するとのこと。ダブルリミテッドの懸念を感じた時点で、少し方向性を変えることも一つの方法と考えています。また、言語形成期(15歳前後以下)だからこそ、両言語への接触の質・量をバランスさせればバイリンガル教育が可能であることも事実。読み書きできる真のバイリンガルに育てるため家庭でできることとしては、日英同時進行で、読み聞かせを学習に据えるのがおすすめとのことで、とにかく、両言語での読み聞かせをする毎日です。

 

英語の正確度を高める

また、読み書きが中心となる教科学習言語能力としての英語力を習得する上で、英語の正確度を高めることが当然必要であり、状況に応じて、発音、語彙、文法、構文を学習することも大切とのこと。実際、学校の授業やreading塾、学校指定のESLアプリを通じて、1st後半ぐらいから、徐々にそういった文法知識も習ってくるようになりました。家庭では、積極的には教えていませんが、時折、年齢相応の英語の文法書を用いて説明することもあります。

 

ルー語化問題

気を抜けばあっという間に言葉の使い分けは乱れてしまうとのこと(いわゆる「ルー語」化)。わが家は、日本のバイリンガル園にいる頃から、これには最大限注意を払っており、混ざった場合には、常に親が言い換えていたところ、あまり起きませんでした(驚くことに日本のバイリンガル園の園児でも話題になっていました)。

 

日本語の言い間違いをした際に、「間違えて言ってくれないと、XXの勘違いに気づかないで、直してあげられないので、今、その単語を使おうとしたのが素晴らしい!!」と大いに褒めて、思い浮かばない日本語について、安易に英語で言って済ませないようにさせています。また、下の子の日本語習得の先生として、正しい日本語を聞かせてあげてほしいとお願いしており、上のお子さんの場合、先生役をお願いするのも一つの手だと思います。

 

音読問題

日本の学齢期を前に渡航した娘にとっては、英語の読みの習得に役立つといわれる母語の読みの基礎がなく、日英両言語の読みの基礎を同時に積み上げている状況。日本語力の劣化の確認として薦められている音読も、まだまだ練習を始めたばかり。2~3日ぐらいであれば間があいても大丈夫ですが、1週間空くと音読の流暢さはなくなっており、焦ります。

 

長くなってきたので、次に続きます・・・。

 

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