まだまだ続く一時帰国話です。
我が家は、中国、アメリカと住んでいますので、子供に戦争の話をするのは、非常に慎重にしてきました。というのも、稚拙な英語力と幼稚な理解力で、外で口にしては困る、非常に難しい問題だと感じているからです。
私たち日本人が「経験者たちが生きている間にしっかりと語り継がなければ」と思うのと同じように、中国、アメリカで出会う目の前の友達は、親や祖父母は当事者であったりします。日本人の知り合いでも、自分たちがされたことは知っていても、したことは知らない人が多くいたりします。
それでモヤモヤした思いをしたことも多くあります。ですから、子供たちには、きちんと全てを話そうと思っていますが、一方で、歴史的全体像を理解できる年齢前に、戦争被害や加害だけを教えることに躊躇があります。という背景から、戦争ものの絵本を子供に読んだり、アニメを見せることに、抵抗があります。これは、自分の幼少期のトラウマでもあります。
今、娘に伝えていることは、戦争の解釈については、①それぞれの国にそれぞれの意見があること、②相手の国の考え方、教え方が違うからと言って、相手が間違っているというのは違うということ、③一瞬で世界を変えてしまう爆弾が日本は落ちて、それがきっかけに負けを認めることにしたこと、④今は、戦争はもうしない世界を目指しているのは皆同じであること、⑤それでも国同士の喧嘩は起きてしまうこと、少しずつ話してきましたが、まだ踏み込んだことは娘には伝えていません。自分は、毎年夏になると、戦争ものの児童書を読んで、感想文を出していたので、今も日本の学校教育が変わっていないとすると、娘は、年齢相応の知識や想像力がないかと思います。でも、海外にいる日本人として、この問題を理解させ上手に対処させるには、8歳はまだまだ小さすぎるように感じてしまうのです。。。
さて、一時帰国の体験学習での、図書館の時間の出来事です。図書館の本をクラスに持って帰って、クラスの本としてしばらく置いておくそうですが、その候補の中に、戦争ものの絵本があったようです。先生が「折角、アメリカから来ている子がいるから、こっちの他の本にしようか」と言って、他の本を選ばれたとのこと。娘は、その挿絵とニュアンスから、きっとアメリカと日本の戦争に関するものだなと思ったそうです。
このような方針を採っている親からすると、先生がこの問題の難しさを理解して、娘にそのような配慮をしてくださり、感謝しています。