姪っ子に発音記号を教えていることから、「発音記号不要論」をチラチラ見ています。
https://english-study-family.hatenablog.com/entry/2024/02/14/035058
もちろん、私の信条は、「一個一個の発音記号を、正しい発音(スライドメソッド)で」です。不要論を見ながら気になったことをいくつか。。
不要論で気になったこと
①不要論を唱える先生の音声が、めちゃくちゃカタカナ英語を加工した音に聞こえる(カタカナとはいえ、英語風に研究されているから、ネイティブも聞いてわかるとは思いますが)。。。
②その先生は、発音記号を使わない代わりに、一生懸命カタカナを駆使して英語の音を表しているものの、そのルールを覚えるなら、発音記号を覚えても同じじゃないか?と思う
③新出単語をどうやって学ぶのか?先生オリジナルの発音カタカナ表記で、辞書の発音記号を書き直すのか?音声辞書をカタカナ表記で書き直すのか?新出単語を覚える際に、いちいちカタカナ表記で発音を表し直すのが面倒じゃないか?
④カタカナの潜在的な音のイメージに、どうしても引きずられる(失礼ながら、その結果が、先生の発音じゃないか?)
⑤「ネイティブは発音記号を知らない」という理論も。当たり前です。彼らは、文字の前に音がありきで、身についた音に、文字をはめていっている順序。根本的にノンネイティブの言語習得課程と違います。
子供用の辞書を見てもわかるように、新出の単語は、既出の単語やフォニックスを利用して、音の表記をしていて、発音記号は扱いません。だって、小さな子が、文字を書き始め、ようやく苦労してスペルを覚えるんですからね。その上、発音記号まで覚えられません。
(大人用の辞書には発音記号は載っています。ネイティブは真剣に見ていないでしょうけれど。)
⑥「音声教材がある時代なのだから、繰り返し聞いて真似していけば、自然とネイティブ発音を身につけられる」という主張
本当に幼い頃から英語学習を始めていた人は、ネイティブキッズの発音習得課程と同様、確かに音声教材を忠実に真似することも可能かもしれません。その場合、発音記号を知らなくても、新しい単語を聞いて、そのまま正しい発音で再現ができるかもしれない。
でも、それは英語スタートの年齢が、小学校低学年か、未就学か、かなり低年齢でないと無理では?実際、海外子女でも、海外生まれか、小学校高学年での渡航か、渡航時の年齢で発音は全然違います。その上で、相当量の英語を耳にしていないと、そんな耳は育たないので、日本で育つ子供にとっては、誰もにあてはまる話ではなかと。時間の制約を考えると、英語の発音のために、他のものに割くべき時間が犠牲になることだってあり得ます。
⑦そもそもネイティヴは、発音記号通りに喋っていない。
発音記号、一個一個を丁寧に学べば、自然と起こる脱落やリンキングを、当然の如く再現できるようになりますし、なぜスペリングと全く異なる音が聞こえるような気がするのか、わかるようになります。理屈抜きにネイティブが作り出している音を、発音記号という理屈を持って理解して、同様に再現していけるのです。
どこまで発音にこだわるべき?
結局、これって、「どこまで発音の綺麗さを求めるのか?」によって、各人の答えは違うのだろうなと。通じる程度なら、多少日本人訛りが強くても良いのか?それとも、聞く相手にストレスをかけたくないので、日本人訛りは絶対に嫌なのか。
よく「英語の発音が悪くても、中身があれば、相手は聞く」って豪語する日本人おじさんがいますが、それって、超超ごく一部のタレントを持った人の話で、大抵は、話し手の中身というより、聞き手側が、何らかの利害関係を感じているか、国際的視野を持った人か、過去にノンネイティブとの関係で思い出深い経験がある人など、やっぱり対象は狭まると思うんですよね。誰もが、好き好んで、会話をしてくれるわけではありません。
英語には色々な訛りがあるので日本人訛りがダメというわけではありません。が、インド人訛りに苦労して、なかなか仲良くなれないように、壁を作ってしまうのも事実。
最初の努力で、日本人訛りが極力避けられるのであれば、プラスでちょっと努力をしてみても良いのではないか?と感じました。